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CONTENTS

コンテンツ紹介

いずみ第116号
2019秋

令和元年11月20日発行

内容

  • 練馬西税務署長座談会
  • 税務署からのお知らせ
  • 令和2年度税制改正要望
  • 社長さんこんにちは
  • 税の漫画講座(消費税のしくみ)
  • 支部・部会・委員会活動報告
  • 東法連退職金制度のお知らせ
  • 税理士会ニュース
  • 東京商工会議所、お知らせ、編集後記
  • 故事名言、小冊子プレゼント、表紙の人

練馬西税務署にて座談会 2019.8.27(火)

練馬西税務署にて、山元署長との座談会を行いました。

写真 左から柄川弘一副署長、山元逸郎税務署長、髙橋利充練馬西法人会会長、丸山晶子広報委員長

ヤマゲンは薩摩藩の影響

丸山広報委員長 本日はお忙しい中、座談会にご参加を頂きありがとうございます。7月に着任されました山元署長からお伺いいたします。山元署長さんのお名前は東京ではあまりみかけないと思いますが、ご出身はどちらですか?

山元署長 私の出身は宮崎県の三股町という都城市の下側の街で、当時の私が生まれた頃の人口は15,000人くらいでしたが、いまは人口が増えて26,000人くらいです。そこは「やまもと」や「さかもと」の「もと」はみんな「元」という漢字で、昔でいうと旧薩摩藩の領地だったと思います。上京してからは、「やまもと」というと「山本」さんが一般的ですよね。田舎では先輩や友達からは下の名前で呼ばれますが、こちらに来てからは「やまげん」と呼ばれていました。今でも署員には「そう呼んでもいいよ」と言っていますが、なかなか呼んでもらえないですね。

丸山広報委員長 それでは「やまげん」署長、練馬の印象はいかがでしょうか。

山元署長 大学で東京に来てからこちらにずっと住むようになりました。東京国税局の勤務が長いですが、練馬西税務署に来て非常に静かで穏やかな感じがします。練馬西税務署の管内は住宅地や小学校が多く静かな感じで、住みやすい場所だと思います。アニメのまちということで、著名な画家の先生が住んでいたり、駅前にはアニメキャラクターの銅像などありますし、なかなかいい所だなと思いました。アニメ好きにはたまらない所ですよね。

丸山広報委員長 アニメはお好きですか?

山元署長 昔はよく見ていました。漫画が好きで、あしたのジョーや宇宙戦艦ヤマト、キャプテンハーロックなどを見ていましたね。

丸山広報委員長 長私も松本零士先生の銀河鉄道999が好きでした。

ワーク・ライフ・バランスが大事

丸山広報委員長 練馬西税務署の雰囲気はいかがですか。

山元署長 練馬西税務署は90人に満たない小規模な署です。1階から3階まで全員の顔が見えるのが非常にいいですね。なお、職員の3分の1が女性です。子育て中の職員も多く、育児と仕事を両立しています。

髙橋会長 女性は優秀ですよね。法人会事務局でも局長の下に女性が四人います。パートでやっていただいているケースが多いですが、効率よく仕事をしていると思います。

山元署長 現在、官民が一体となって推進しているワーク・ライフ・バランスの実現にも、力を入れていかなくてはと思っています。

ゴルフが趣味

丸山広報委員長 普段のご趣味は何ですか?

山元署長 ゴルフが趣味ですね。2年前に腰を痛めましたが、腰を痛める前はよく走ったり、野球やソフトボールなどもやっていました。若い頃は山にも登っていましたが、今は激しいスポーツは観戦する方が多いですね。

髙橋会長 我々はある程度の年代になると運動不足になります。私も人間ドックに行く度に「運動してください。」そればかり言われます。

丸山広報委員長 山登りはどうでしたか。

山元署長 北アルプスや八ヶ岳、近くは丹沢などにはかなり行っていました。

髙橋会長 山登りは得意ではありませんし、ゴルフも法人会のゴルフをする程度です。医者からは、適当な運動と共にストレッチをやりなさい、年をとるとどうしても関節が固くなるので病気のもとになります。筋肉をつけるだけではなく、関節を柔らかくしておくと良いですよと言われました。

丸山広報委員長 皆さん、いつも健康には気をつかっていると思いますけど。

髙橋会長 丸山さんはしっかりと運動していますか?

丸山広報委員長あまりしないです。でもコラーゲンをとった方がいいですよ。カルシウムも大事ですけど、骨はコラーゲンからです。

髙橋会長 今度、講義やってください。50歳以上の方は無料とかね(笑)

明るく、楽しく、風通し良く、元気に!

丸山広報委員長 職員の方に訓示するときによく言われることは。

山元署長 今年7月に着任した際の訓示では、「明るく」「楽しく」「風通し良く」「元気に」という4つのキーワードをお話させていただきました。「明るく」「楽しく」は、気持ちの問題もあるし、そういう雰囲気でないと職場全体もそうならない。「風通しが良い」というのはよく言われますけど、本当に困ったときに先輩後輩に相談ができない、先輩後輩がそれを見ているけど声をかけないというのは風通しが良くない職場です。「風通しが良い」というのは、みんなが助け合える、そして、失敗した時でもなんでも相談がしあえるような職場であると思いますので、練馬西税務署は風通しがよく、かつ、元気な職場であるよう、取り組んでいきたいと思います。また、私は毎朝出勤したら1階から3階までの全職員に声掛けをしています。毎日、全職員の顔を見て挨拶をすることで、職員が元気にしているか、悩み事がないか、なども直に感じることができます。もっとも、私が毎朝回ることを迷惑に感じている職員もいるかもしれませんが(笑)。

丸山広報委員長 税務署に来ると敷居が高く感じる人がいるらしいです。そうすると税務署の方が気軽に挨拶してくださると、すごく心やわらぐという人がいます。どうしても緊張してくる人がいるらしいです。

山元署長 確かに税務署って、恐い・硬いイメージがありますよね。

髙橋会長 税務署はきちんとそつなく仕事をされる組織だと思います。それが税の公平と信頼につながっていますよね。

山元署長 納税者サービスと、悪質な納税者や脱税者に対する対応は別の話なので、そこはきっちり区分して行っています。

制度の変更は、日々の研修で

丸山広報委員長 長教育についてはどう考えていらっしゃいますか。

山元署長 人材育成はどの企業等にとっても難しいところだと思いますが、幸いにも国税の職場は研修制度が充実しています。税務大学校での研修制度があり、職員は、しかるべきタイミングで研修が受けられるようになっています。それ以外にも職場内では、先輩職員から若手職員へ日々の業務を通じて技術や知識の継承が行われています。

髙橋会長 税制は他の法律に比べて変わることが多いですし、日々勉強されていると思います。それだけ大変な仕事なのかなと思います。

丸山広報委員長 法人会では税知識の向上のための研修会を行っていますが、実務をしている中で知らずに間違えて、税務調査の際に注意されることがあります。税務調査で間違えやすい事例のお知らせはしていただけるのでしょうか。

山元署長 例えば、マスコミなどで報道される査察事件などの特殊な例は別として、一般的な事例は審判所の公表裁決事例が参考になると思います。なお、10月の消費税率引上げと軽減税率制度の導入では、説明会の開催や、パンフレットを配布するなど、事前周知に力を入れています。

髙橋会長 法人会は良き納税者としての団体ですから、納税を意識して税務行政に積極的に協力致します。

山元署長 よろしくお願いします。我々も各種説明会や研修会等を続けていきますので、ぜひご協力をお願いします。

協力し合う「租税教室」

丸山広報委員長 6団体に期待することはありますか?

山元署長 戦後、税務行政が乱れ、昭和24年にシャウプ勧告があった中、皆様方に協力していただき、まず青色申告会が発足し、その後、各団体が発足したと聞いております。署には、それぞれ分担する部署がありますので、署と皆様がそれぞれのところで出来ることをやっていただき、皆様と協力して良い日本、良い税務行政をつくっていきたいと思っております。

丸山広報委員長 長練馬西法人会にはどんなご希望がありますか。

山元署長 先日、練馬西法人会が主催された、小学生対象の税金◯×クイズと映画鑑賞に参加させていただきましたが、会員の皆様がお忙しい中、積極的に活動されていたことが非常に印象的でした。また、租税教室は青年部の方が24か所もの小学校で実施して頂き、2,500名以上の参加があったとお聞きして、驚くとともにすばらしいことだと思いました。今後も変わらずに活発な活動をお願いします。

髙橋会長 租税教育は、税務6団体共通したひとつのテーマだと思います。各会、租税教育の方法は異なります。納税貯蓄組合さんは税の作文を行っていますし、我々は税理士会さんと一緒に租税教室、間税会さんは税の標語を実施するなど、いろいろありますが、一貫した教育として効率よくやる必要があるという気がします。そのために税務懇話会の中で意見を出しあって調整することも大事であると思っています。

山元署長 皆さんが競い合うのではなく、一緒にやっていく形が良いのかなと思います。それぞれの会の中で意思疎通をはかっていただいて、会の目的意識が全員に伝わるようにしていただけるともっと良いのかなと思います。

一人の百歩より百人の一歩

丸山広報委員長 長高橋会長、今期3期目ですが組織の強化については各支部どのように取り組んで欲しいと思っていますか。

髙橋会長 今年テーマとして出しているのが支部の強化です。『顔の見える法人会』と言っているのは、もっと会員同士交流を深めて下さいということです。私は組織というのは個がいくら頑張っても個の問題であって、複数の人間が協力して総合力を発揮するのが組織だと思います。その中で個としてもいろいろなメリットを共有する、享受できると思っています。例えば支部にはたくさんの役員がいますが、支部長だけが会員増強を一生懸命やって十件会員を増強しても、他の方は何もしていない。それでは支部として本来の会員増強に繋がらないのではないか。それを皆さんにもう少しわかって欲しいです。そのためにもっともっと支部の中の役員に交流を深めて頂き、「みんなでやりましょう」という体制を作ってくださいと呼びかけています。また『顔の見える法人会』として役員のひとりひとりがなるべく支部の中の会員さんを把握していただき、誰がきても「○○さん」と名前を言える会員を取り込める組織を作って欲しいです。それが支部の強化につながっていくと思っております。

山元署長組織は人で始まりますからね。

髙橋会長法人会はボランティアです。会員や役員のみなさん一生懸命やっていただいていますが、それでもやはりひとりひとり温度差はあります。その中で一緒にできるような会にしていかなければならないというところは非常に強く感じますね。

丸山広報委員長 ひとりの百歩よりも百人の一歩という感じですか。組織はみんなで同じ方向に向いていくことが大事ですよね。

山元署長 そうですね。高橋会長の強烈なリーダーシップが発揮されることを確信しております。

情報の共有

丸山広報委員長 租税教室と税務研修、懇談会、税務署と一緒に深めていくという連携についてはいかがですか。

髙橋会長 税務研修は、6団体ではそれぞれ多少違うと思います。ですから、自分たちが団体として欲する税務研修とは何か。どんな研修してもらいたいか。何を知りたいかという事を拾い集めるべきだと思っています。例えばこの地域は練馬西税務署内の納税額で多いのは相続税ではないか思います。相続の講習会というのをあまり法人会ではやっていません。むしろJAさんの方が積極的にやっていらっしゃいます。でも法人会の構成メンバーを見ていると相続問題や事業承継問題等積極的に取り上げる必要があるのではと思います。

丸山広報委員長 いつも研修会は聞くだけなので、もうちょっとキャッチボールができると良いですね。本当はもっと相談したいと思います。

山元署長例えば、最初にアンケートをとっておき、その結果を受けて研修を実施するのも一つの方法だと思います。

髙橋会長 そういうことも大事ですね。

山元署長 今ですと、一番重要なのはやはり消費税の軽減税率制度の周知なので、法人会の皆様の協力を得ながら各種研修会等を行っています。なお、4年後にはインボイス制度が導入されますので、今後ともご協力をお願いいたします。

丸山広報委員長 インボイスもう目の前ですよね。軽減税率が終わったらどんどん勉強していかないと。

山元署長 それと、引き続き法人会の皆様にご協力をお願いしているのはe-Taxの導入促進に向けた周知・広報です。ご存じのとおりe-Taxは行政の事務効率化だけでなく、納税者の方々も税務署や銀行等にご足労頂く機会が減りますので、そういう面からもお願いしています。

髙橋会長 我々としてもその方が楽ですよね。納税にしても銀行に払い込んで云々よりは電子納税とした方が忘れることもないです。

髙橋会長 今日の午前中は税金の支払いをずっとやっていました。(一同 笑)

税を身近に

丸山広報委員長 最後に『納税知識の普及』というスローガンがあります。それに向かっていろいろな研修会をやっていますが、どのような研修会をお望みでしょうか。テーマはいろいろありますが、ただ講演するだけではなく他に何かありますか。

髙橋会長 じつは租税教室で使っている「マリンとヤマトの日曜日」というDVDがあります。この国に税金がなくなったら、どんな状況になるかというアニメです。火事になっても火を消してもらうためには消防署にお金を払わないといけない、病気になっても救急車はお金を払わないと乗せてもらえないというような簡単な物語ですが、ロータリークラブで上映しましたら誰も寝ないでずっと見ていました。署の先生方のお話も必要だと思いますが、大人にも今回の消費税の問題などビデオ化やドラマ化というか、要点をポンポンと飽きないようなかたちのものを国税局に作っていただきたいです。

山元署長 確かに、我々が行う研修会等はどうしても実務的な話が中心となってしまうので、法人会の方のお知恵を拝借してドラマみたいな物を作成し、研修会等に活用することもいいかもしれませんね。

丸山広報委員長 税が身近に感じられるようなものが良いですね。

髙橋会長 もっと興味を引くような、大人のための租税教室みたいなね。

山元署長 「なぜ税が必要か」という根本的な部分は本当に大切です。今のお話を聞いて改めて大切さを再認識しました。

髙橋会長 丸山委員長は全法連の税制委員ですから全法連税制委員会の課題としても検討していただきたいと思います。

丸山広報委員長 会員に分かり易く親しみ易いのは大事なことです。
今日は、参考になるお話が伺えました。ありがとうございました

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